8世紀、北欧のスカンジナビアに定住していた民族は、ヨーロッパ諸国からノースメン(北の人)と呼ばれ、独自の文化と共に生活していました。彼らこそ、今日ではヴァイキングと呼ばれている民族です。8世紀から11世紀までを、北欧史ではヴァイキング時代といいます。ヴァイキングの多くは農民であり、故郷では畑を耕し牧畜を営み、狩りや漁をして暮らしていました。手工芸に長けていて、鍛冶、木工、彫金などで優れた腕前を発揮しました。
アイスランドの「みずうみ谷家のサガ」に登場する、博識で思慮深い首領トルステインがヴァイキング時代の文化を語ります。
リエンアクターは、麻やウールでできたヴァイキング時代の衣服を着て活動します。植物などを鉄鍋で煮出して染められる鮮やかな色彩、複雑に編み込まれる縁飾りや刺繍。クラフターによって当時のスタイルや染色方法が研究され、美しい民族衣装が甦ります。
当時は、鮮やかに染められた衣服は手間もかかり高価な物であった。特に赤紫色の染色に使う大量の巻貝は、貴重な素材として扱われた。赤紫色や青色は、地位の高い王や首領の色なのだ。
太古から人の暮らしと共にある、食肉の副産物である革。革素材は加工しやすく、リエンアクターにとって身近な工芸として親しまれています。ベルトやポーチ、靴や剣の鞘など、多くのリエンアクターが発掘品を元に自分自身で再現し、実用品として身に付けています。
わしらの衣服にはポケットがなかったので、腰に下げる革のポーチは重宝しておった。ポーチには銀の欠片を入れておく習わしがあった。旅先の異国では銀が通貨の代わりになったのだ。
植物や動物が絡み合った装飾模様、銀線を編み込んだ繊細な細工。形を残して発掘される装飾品は、当時の芸術を鮮明に教えてくれます。男女問わず装飾品を身に付ける文化は、現代でも変わりません。リエンアクターは当時の姿を忠実に、時に新しい解釈を加えて作り出します。
装飾品には、金銀銅の金属の他、ガラス製品を溶かしたビーズをよく使っておった。わしらは粘土の鋳型でブローチなどを量産する技術も持っていた。大きな都市には職人の工房があったものだ。
村では、ふいごで炉を燃やして鉄を叩く、当時の鍛造作業を見ることができます。鍛治を探求するリエンアクターの手による鍋、ナイフ、ペンチなどは、活動に不可欠な実用品です。道具も技術も当時と同じ物を用いたからこそ現れる、独特の重厚感があります。
湖沼から採掘した鉄素材は、炉で燃やして精製され、武器や船のリベットなどあらゆる場面で使われた。硬度の異なる鉄を合わせて武器を鍛えられる者は、職人の中で高い地位を持っておった。
村やマーケットでは、鉄の剣と鎧兜に身を包んだリエンアクター達が技量を競い合う、本物さながらの激しい戦いが行われます。大小様々のグループが各地にあり、武器の扱い方、城塞の攻め方、船の上での戦闘など、彼らは当時の戦術を日々探求し訓練しています。
わしらは剣や槍を携えて、円錐型の兜に鎖かたびら、丸い木の盾を用いて戦った。身の丈ほどの長斧デーンアックスは使い手を選ぶが、リーチもあり盾の上からでも攻撃できる強力な武器であった。
野外博物館を兼ねたリエンアクター活動の場として、ヨーロッパ各地に再現されています。首領の館、漁師の家、鍛冶屋の家など、村の建物の建築にもリエンアクターが協力し携わっています。現代と完全に離れた1000年前の生活そのものを体感でき様々な発見があります。
わしらの多くは農業を営んでいたが、30年くらいで少し離れた土地に集落を移動することもあった。家を守るのは女性の役割で鍵を管理し、糸紡ぎや機織り、時に農場を取り仕切っておった。
各地のヴァイキング村で行われる夏の祭典です。ヨーロッパ中から多くのリエンアクター達が集い、再会と出会いを喜び合います。立ち並ぶテントでは、物作りのリエンアクターの手で再現された工芸品や毛皮などが売買され、人々で賑わう交易市場が甦ります。
わしらは交易のためにもよく遠征したものだ。ドイツのヘーゼビュー、スウェーデンのビルカ、デンマークのリーベは有名な交易都市。特産品の毛皮や琥珀を輸出し、銀やワインと交換しておった。
村の岸辺に備えられたヴァイキングのシンボルともいえる船。当時の道具と技術を用いた復元作業が、北欧各地で大々的に取り組まれています。完成した船を使った航海実験は度々行われ、古くは1893年にノルウェーからアメリカ大陸までの大西洋横断が成功しました。
船はわしらにとって特別な物で、王や首領は船と一緒に埋葬されたり、石を船型に並べた墓を作ることもあった。 移動手段は船だけでなく、陸上では馬や馬車、スキーを使って旅をしていたものだ。
神話と伝説からは、当時の儀式や慣習を読み解くことができます。北欧のクリスマスとして一般的なユールをはじめ、占いや結婚式までを当時の様式で行うリエンアクターも少なくありません。儀式の内容に共通して現れているのは、祖先と家族と仲間を尊重する心そのものです。
結婚式では、トール神の武器を模したハンマーで花嫁を祝福したものだ。皆で輪を作って一つの酒杯からミード(蜂蜜酒)やビールを飲む様式は、祈願や祝福のために様々な儀式で行われておった。